作業療法

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ある個別の人間にとって価値のある活動を用いて、対象への介入を試み、その個人の心身や生活がより良い物となるように意図した具体的で、治療的な働きかけ、マネジメントコンサルテーションの事である。

作業療法においては、そのような「対象者にとって何らかの意味を有する活動」を「作業」と呼称し、作業を媒介としたり、あるいは直接的な介入の手段とする事によって、対象者の生活の質や心身の状態を高め、より良いものにする事を目指す。

ありとあらゆる物が作業となり得るため、作業療法は際限ない広がりを持つ。


定義

作業療法は、様々な視点があり、定義にはさまざまなものがある。

作業療法または作業療法士が用いる「作業」とは、「対象者自らが文化的・個人的に価値や意味を見出し専心しているすべての活動」を指していることが多い。

法律に基づく定義

(1) 理学療法士及び作業療法士法

この法律で「作業療法」とは、身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作、その他の作業を行わせることをいう。

この法律で「作業療法士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、作業療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、作業療法を行なうことを業とする者をいう。

(理学療法士及び作業療法士法 昭和 40 年6月29日 法律第137号

(2)医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について(通知)

理学療法士及び作業療法士法第 2 条第 1 項 の「作業療法」については、同項の「手芸、工作」という文言から、「医療現場において手工芸を行わせること」といった認識が広がっている。

以下に掲げる業務については,理学療法士及び作業療法士法第 2 条第 1 項の「作業療法」 に含まれるものであることから、作業療法士を積極的に活用することが望まれる。

・移動,食事,排泄,入浴等の日常生活活動に関する ADL 訓練

・家事、外出等の IADL 訓練 ・作業耐久性の向上、作業手順の習得、就労環境への適応等の職業関連活動の訓練

・福祉用具の使用等に関する訓練

・退院後の住環境への適応訓練

・発達障害や高次脳機能障害等に対するリハビリテーション

(医政発0430第2号及び第1号,平成22 年4月30日)

日本作業療法士協会の定義(昭和60年)

身体または精神に障害のある者、またはそれが予測される者に対してその主体的な生活の獲得を図るため諸機能の回復・維持・および開発を促す作業活動を用いて行う治療訓練指導、および援助

世界作業療法士連盟(WFOT)

「人が自分の文化で意味 があり行うことのすべて」

人間の生活と作業

人の生活は具体的な行為の連続としてとらえることができる。

たとえば、朝起きて、身支度をし、出かけ、用件をすませ、帰宅し、食事をして、就寝する。

人の一日の生活の中には、さまざまな活動がある。

それらの行為活動の主体である人にとって意味のある活動は全て、その人にとっての作業となり得る。

それらの作業を用いて、対象者を癒すことが作業療法士の仕事である。

領域・職域

医療」「保健」「福祉(教育職業を含む)」が挙げられる。[1]

医療

病院・診療所・訪問看護ステーション・精神科デイケア・デイナイトケア・認知症疾患医療センター・ホスピス・ターミナルケア病棟

保健

保健所・保健センター・地方自治体・行政機関・地域包括支援センター・地域活動支援センター・介護予防サービス事業所

福祉

居宅サービス事業所・在宅介護支援センター・認知症デイケア・介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護療養型医療施設・障害福祉サービス事業所・その他児童、身障、精神福祉法関連施設・家族会や当事者団体の活動支援・障害児入所施設・障害児通所支援施設・身体障害者・知的障害者更生相談所

教育

義務教育・大学・専門学校・特別支援学校

職業支援

障害者就業生活支援センター

作業療法のプロセス

作業療法が対象者に影響するために実施するプロセスは概ね以下のようである。

作業療法では、具体的な活動(手工芸、会話など)をともなう体験を提供することを用いて対象者に影響を与える。この課程を「介入」と呼ぶ。

介入の前段階には、「評価」がある。作業療法の対象となる人物の全体像を掴むための様々な情報収集の課程だけでなく、短期、及び長期の目標、リハビリテーションゴールの設定や、どのような介入を行うかを決定する課程までが評価に含まれる。

介入後には、「再評価」が行われ、目標が達成できているかを判断し、必要に応じて介入方法を再検討する。

介入時期

病期や受傷後からの期間を便宜上以下のように分けることが多い

予防期

急性期

回復期

維持期

終末期

分野

作業療法は便宜上、よく4分野に分けられる


身体障害作業療法

精神障害作業療法

発達障害作業療法

老年期障害作業療法


これらの分類は便宜的なものであり、対象者によってはいくつかの分野の障害を合併していることも少なくない。

このような分類が使用される理由としては、保険制度作業療法学という学問上の分類などが影響していると考えられる。

近年では、特に上記の複数の領域をまたぐような、アウトリーチ型の支援や、就労支援なども重要である。

特に、少子高齢化の日本では、社会で働く作業療法士が必要とされている。

作業療法学

作業療法という実践に関する情報を体系的に整理、研究し、実践に関する助言、提言を行う学問。

作業療法のエビデンスとなるという意味で、極めて重要である。

作業療法士養成過程で、OTSならみんな勉強することになる。

関連項目

作業

作業療法学

日常生活活動

評価

生活行為向上マネジメント

引用・参考書籍

  1. 作業療法概論(作業療法学全書)